防犯ブログ

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2009年08月24日 広域金庫盗難

金庫そのものを盗む「金庫盗難」
その「金庫盗難」を広域で100件以上行っていた窃盗団の手口をご紹介します。

●金庫窃盗を広域で繰り返したとして窃盗罪などに問われた3名。 起訴状によると、3人は共謀して、4月に北海道で2件、境港市と米子市で3件、5月に山形県米沢市で2件と3道県で7件の窃盗と窃盗未遂を繰り返した。
境港市のスーパーからは現金約1100万円が入った手提げ金庫を盗んだ。3被告とも起訴事実を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、A被告が計画し、B被告はトラックの運転や金庫の運び出し、C被告は見張りなどをしていたと明らかにした。
また電話線を切断し警備会社への通報システムを無効にし、夜間にスーパーなどに侵入、金庫ごと運ぶ手口と指摘した。
余罪が全国で100件以上あり被害額が約1億円に上るとみており、一部を追起訴する方針。
(8月22日毎日新聞より引用)

「警備会社への通報システムを電話線を切断して無効にしてスーパーなどから金庫を運ぶ」この手口は注意が必要です。
断線警報がすぐにあがるシステムならいいのですが、そうでないと数時間から数十時間後に警備会社で異常がわかるしくみです。72時間ごとに断線警報をホームセキュリティの場合にはとっている大手警備会社もあります。別に「断線監視機能」がオプションであり、これに入ると即時にわかるようになるようですが、これは標準装備でないといけない機能だと思います。(ちなみに弊社の自主機械警備システムNEXTならすぐに断線警報が携帯電話にメール及び音声で通報されます)

今回の窃盗団では電話線を切断していたのかもしれませんが、そうせず、短時間で金庫を屋外に持ち運ぶ手口の窃盗団もいます。ストップウォッチを持った見張り役が、数名の実行犯に対し、5分経過した時点で犯行を終了するように指示して退散します。この手口の場合、数百キロの重量金庫でも外に持ち運ばれてしまいます。
5分に時間を制限しているのは、それ以上だと警備員など人が駆けつける可能性が出てくるからです。

そして持ち去った金庫は山の中などで時間をかけ開けて、金庫自体は捨て去ります。山中では少々音を立てても問題ありませんから道具を使用し背面を破ったりこじ開けたりするようです。怖いのは、入っていた契約書など重要書類も一緒に捨てられる場合もあるということ。機密文章が公に出てしまい信用失墜になる可能性もあります。

「金庫盗難」に対しての防犯対策
● 金庫を過信しない。金庫は、防火金庫ではなく「防盗金庫」を採用する。
● どんな大型金庫でも過信しない。
● 金庫は目たない場所に設置する。昼間来客や出入り業者が見ることができる場所には置かない。
● 周囲を壁などで覆い隙間をなくす。
● ドアから離れた位置の部屋の隅に設置する。
● 什器備品に囲まれていることも持ち去りにくい条件である。
● 金庫に対する攻撃の作業スペースを少なくする。
● ハンドリフトや台車などが入る空間を無くす。
● 金庫を設置した部屋に至る経路に、複数の施錠されたドアがあること。
● 夜間簡単に照明が点灯しないようにする。
● 床面に金庫をフォールインアンカーで固定する。
● 侵入した時点ですぐに大音量のベル・サイレンを鳴らす防犯システムや霧を噴射して視界を遮る防犯システムを設置する。5分の時間を犯行できないような気持ちにする。
● 電話線を断線された時点で、ベル、サイレンが鳴り通報が入るような防犯システムを設置する。
● 手提げ金庫は金庫ではないと認識し、大金を入れたままにしない。
金庫破りに対する防犯対策

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