防犯ブログ

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2018年09月07日 病院専属泥棒 麻薬・劇薬が狙われている

医師や看護師に対する暴力や患者同士の喧嘩、さらには窃盗、セクハラなど、病院内ではさまざまなトラブルが発生している。現在、こうした事件に対処すべく"院内交番"を設置している病院は全国に約300ある。


ここでは実際に病院専属ポリスが出動した「窃盗事件」の内容を報告する。

昼間、病院内を巡回していた院内ポリスが、ある見舞い客に目を止めた。

「見かけない顔だな」

男性に近づいていき、「どなたのお見舞いに来られたのですか? ご案内しますよ」と声をかけると、相手は「あっ、いや......」と口ごもり、逃げるようにその場を後にしようとした。

そこを素早く回り込んだ院内ポリスが、「少し外でお話ししましょうか?」と、男を病院の外へ連れ出した。その後、男は窃盗犯だったことが判明した。

素人目には、男が特に怪しい動きをしたようには見えない。

「私たちの現役時代には、色んな人の面相を学びながら、スリや出歯亀などの"目の動き"の違いで犯人としてマークし、検挙してきました。だから不審者の"目の動き"は大変重要なところ。

現役時代の訓練の蓄積が刑事としての勘となり、時には院内での常習窃盗犯の逮捕につながることもあります」(現役の院内ポリスとして活躍する聖路加国際病院の男性)

2004年、慈恵医大病院が全国で初めて「院内交番」と呼ばれる渉外室を設置した際に"院内ポリス第1号"として勤務した元警視庁捜査一課管理官によれば、病院内で起こる事件で最も多いのは「窃盗」だという。

「入院病棟の貴重品入れはドライバー1本で開けられるものが多い。見舞い客を装って病院に侵入し、入院患者の検査の時間を狙って貴重品を盗んでいく"病院専属泥棒"は全国の病院にいます」

厄介なケースもある。

「私は医療関係者などを相手に全国で講演も行なっていますが、その際に『手術室から、使っていないはずの薬がなくなった』と相談されたこともある。

限られた人しか入れないから"内部犯行"が疑われるのですが、監視カメラなどもないから"迷宮入り"してしまいがちです。手術室にはモルヒネなどの麻薬もあるので、そうした薬剤管理をどうするかは今後の課題です」(管理官)

※週刊ポスト2018年8月10日号
<8/10(金) 7:00 NEWSポストセブン配信より>


院内ポリス、このような担当者を置いている病院がどれくらいあるのでしょうか。

警備員を兼ねていれば病院内での様々な犯行の抑止力になるかもしれませんが、特殊な知識や経験、研修等も必要になるでしょう。

しかし、よほど大きな病院でない限り警備員もいません。

医師や看護師、その他の職員が慌しく働いています。

病院にもよりますが、患者が多ければ多いほど皆忙しくしています。

そのような状況下では、麻薬や劇薬狙いの泥棒がいたとしても注意深く観察し続けることは現実的に不可能でしょう。

人の活動だけで対策を徹底させるのは大変です。

防犯カメラや入退出管理システムなど機械の対策も併用するのが効果的です。

人が主となり、機械が補佐的になるか、またはその逆になるか、それはその場所、守りたい対象、敵となる相手によって変えていかなければなりません。

一つの対策で全ての犯罪に万能に対応することは難しいでしょう。

臨機応変に対応を変えていかなければ本当の効果は発揮できなくなります。

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