防犯ブログ

  • 放火・火災
2010年03月15日 老人介護施設で火災。何故こうした悲劇が繰り返されるのか?

また、老人福祉施設で火災が発生し、7人が死亡するなど多数の被害が発生しました。
何故こうした被害をなくす事ができないのか?繰り返し発生する被害を検討したいと思います。

●13日午前2時25分ごろ、札幌市北区屯田4の2の認知症高齢者グループホーム「みらい とんでん」から出火、木造2階建て1棟248平方メートルを全焼し、焼け跡から入居者7人の遺体が見つかった。当直だった女性職員(24)は「1階ストーブから火が出ている」と119番通報した。札幌北署は1階居間の灯油ストーブ付近が火元とみて詳しい原因を調べるとともに、業務上過失致死などの疑いもあるとみて捜査している。

亡くなったのは60〜90歳代の男性3人と女性4人とみられ、全員が認知症だった。検視の結果、7人とも焼死とみられる。女性職員ものどにやけどをするなど重傷を負った。ホームには9人が入居しているが、女性1人は外泊中で、出火当時は入居者8人と女性職員1人がいた。玄関に一番近い個室にいた女性(83)は消防隊に救出され、けがはなかった。灯油ストーブは24時間、稼働していたという。

 個室は1階に6部屋、2階に4部屋ある。出火当時、入居者は各個室にいたとみられる。同ホームの管理栄養士によると、2階には自力歩行のできる3人が入っていた。各個室にはカギがかかっておらず、常時開けたままにしてあったという。遺体は1階から5人、2階から2人が見つかった。

 ◇スプリンクラーなし

 同ホームは運営会社「みらい25」が民家を改築し、05年12月、市の認可を受けてオープンした。
同ホームは消防法で年1回義務付けられている消火器、誘導灯などの点検報告を06年8月を最後に行っておらず、消火・通報などのマニュアル(消防計画)も提出していなかった。
この2点の違反事項について市消防局は08年9月と昨年5月、2回にわたって文書と口頭で行政指導(是正勧告)をしていた。また、スプリンクラーや施設用火災報知機は設置されていなかった。

 火災について運営会社社長は「こういうことがあって動揺している。遺族の方にはできる限りのことをしたい」と話した。

 グループホームとは、国の介護保険制度(2000年4月施行)が在宅サービスに位置付ける認知症高齢者向け住宅。少人数で介護スタッフとともに共同生活を営む。入所者の定員は5〜9人。居室は個室が原則で、食堂や居間などの共用部分があり、家庭的な雰囲気の中で自立した生活を送ることができる。厚生労働省によると、介護保険制度開始時には全国で約270カ所だったが、09年11月時点で9966カ所と急増している。
( 3月13日毎日新聞より引用)

●消防法で年1回義務付けられている消火器、誘導灯などの点検報告を06年8月を最後に行っておらず、消火・通報などのマニュアル(消防計画)も提出していなかった。市消防局は08年9月と昨年5月、2回にわたって文書と口頭で行政指導(是正勧告)をしていたがまだ是正されていなかった。
●スプリンクラーや施設用火災報知機は設置されていなかった。
●ストーブの側に洗濯物を常時干していた。
といった点があり、「ずさん」としか言えない管理体制だと思われます。

以前に発生した「静養ホームたまゆら」の火災では、死者10人。引き戸について、いつものようにつっかい棒をかけて、(入居者が)外に出ないようにしていました。
今回は各部屋の鍵はかかっていませんでしたが、全員が要介護で自力では逃げることができないお年寄りばかりの施設にも係わらず、防災対策などが何もなされていないといわざるを得ない状況でした。

このグループホームなどは民家などを改良して運営しているところが多いようです。
資本力がないため、大規模な防災対策や建物の防火対策(壁を防火材に変更するなど)もままならないようです。
こうしたグループホームが急増する背景には、老人福祉施設への入居を希望しても入居先に開きができないため入居できないお年寄りが急増していることがあります。
国も都道府県も必要性は分かっていても予算がなく、新しい施設を入居希望数に対応できるだけ作ることができません。
そしてグループホーム自体でも、必要性は分かっていてもこうした防火対策などに予算を掛けられない状態なのかもしれません。

しかし、毎度の事ながら、実際に被害に遭って、悲惨なのは入居者であるお年寄りです。
火災が発生してしまってからでは逃げる事ができない状況であるのなら、火災となる前の炎の段階で早期発見をすることがもっとも効果的です。
火災感知器では天井まで火の手が上がってしまっていることが多く、それでは遅いのが実情です。
炎センサーなら10メートル先の7cmの炎を検知しますので、火災になる前の段階で検知することができます。

もちろんだんろ、石油ストーブがある部屋では使用できませんので、暖める暖房器具もセントラルヒーティングや床暖房、温風器などに変更する必要があります。
しかしそうすることで本当の意味でも安心が得られるのですからぜひご検討いただければと思います。

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