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2022年05月20日 万引きではなく億引きだ! 家電量販店から10年で1億円盗み続ける

家電量販店で万引きしたとして、三重県警に窃盗容疑で逮捕された津市の無職男(53)が、盗品売却による犯罪収益を妻の口座に隠していた疑いが強まり、県警は20日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)容疑で追送検する。捜査関係者への取材で分かった。
10年間に万引きで重ねた被害総額は1億円に上り、県警は名古屋国税局に約7000万円の課税通報をしている。

県警の発表によると、昨年8月5日と6日、津市内の家電量販店から、ワイヤレスイヤホンを計5個(販売価格計約13万7500円)盗んだ疑い。

捜査関係者によると、男が約10年にわたり、愛知県や大阪府、静岡県など少なくとも18府県の家電量販店に毎日のように通って、イヤホンや脱毛器、半導体メモリーなどの万引きをしていたという。

津地裁で行われている公判で男は起訴された万引き8件の事実を認めている。
盗品は名古屋市内の質屋に持ち込んで、自身の身分証を示した上で売却し、妻と子ども2人との生活費に充てていた。「少しぜいたくな生活を送りたかった」と話している。

質屋の取引記録や、男と妻の口座への捜査から、被害総額は少なくとも1億円に及ぶことが判明。
県警は犯罪収益を妻の口座に隠したなどとして、組織犯罪処罰法違反容疑で追送検する。犯罪による所得を申告しなかったとして3月には名古屋国税局に約7000万円の課税通報をした。

捜査関係者は「防犯カメラの死角を選んで、盗難防止用タグを外してリュックに詰めたり、店のパンフレットの隙間に挟んだりと手口は巧妙。万引きではなく、『億引き』だ」と語った。
<5/20(金) 7:56配信 読売新聞オンラインより>

個人的な考えですが、これだけの盗みを続けた男がなぜ実名報道されないのかが不思議です。

万引きという犯罪を軽く考えている訳ではないでしょうが、「万引き」という言葉の響きが、スーパー等で数百円の商品を盗むイメージを持ってしまう人も多いのではないでしょうか。

子供が万引きをして、親が店に謝りに行き、盗んだ商品の代金分を支払うから許してもらう(警察にも届け出ない)、そんな印象もあります。

例えば子供が他人の家に侵入し、金品を盗み、逃げようとしたら人に見つかって捕まり、その場で許しを請うたとしても、許してはもらえないでしょう。
警察に通報され、連行されるのが普通です。

人の所有物を盗む、奪うという行為、犯罪にも関わらず、対応が異なるケースがあることが疑問です。


「万引き」という言葉は、江戸時代から使われていたようです。
語源としては、「間引き(まびき)」に撥音「ん」が入った言葉であるという説が有力とのこと。

「間引き」とは、不良のものを除いたり間隔を保ったりするために密生している農作物を適当に抜き取ること。
商品を間引いて盗む、つまり陳列してある多数の商品の中から少数の商品を盗み出すことからついたようです。


「不良のものを除く」という言葉だけをみると、犯罪というイメージから離れ、むしろ良いことをしていると勘違いしてしまいます。

万引きを行う者が、その語源を知っていて、良いことをしていると勘違いしていることはないでしょうが、言葉としてあまり合っていない気がします。


記事にもあるように、被害が続けば万単位の被害額ではなく、億単位に及ぶこともあるでしょう。

万引きと言う言葉から別の言葉に言い換え、犯罪を行う側が軽く考えない、甘く考えないような印象を与えるようにすべきかもしれません。

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