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2012年11月28日 古美術盗総額7300万円! でも儲けが少ないのはなぜ?

茨城県警は、今年6月に強盗容疑で逮捕した男2人が、秋田、大阪、広島など全国17府県で、古美術品専門の盗みを四十数件繰り返したと供述していることを26日、明らかにしました。

県警が確認したところ、被害総額は約7300万円。
ただし、高価な品物は捜査の手が及ばないよう捨てたと供述したといい、刑事事件としての立件は見送るという。

県警の発表によると男らは、千葉県柏市藤心、元古美術商で韓国籍の無職の男(38)と、同県成田市不動ヶ岡、無職の男(37)の2被告(強盗罪などで公判中)。

2人は今年6月、カラオケ店から現金を奪った強盗容疑で逮捕されました。
その後の調べに、2010年10月頃から今年5月頃まで、バールで鍵を壊して寺や蔵に侵入し、古美術品の窃盗を重ねたと供述したという。

被害品の中には、富山県の寺が所蔵する県指定文化財の金のよろいかぶともあり、この寺だけで約1880万円の被害に遭っていました。

2人はインターネットの古美術サイトで品物を探し、盗品を古美術商に売るなどしていました。
しかし、希少価値のある品を捨てたため、もうけは少なかったという。
<読売新聞 11月26日(月)21時40分配信より>

これまた珍しい手口です。
盗んだ美術品の中で、希少価値のある品は売らずに捨てていたという泥棒2人組です。
もうけは少ないものの、希少価値のある品、高価な品を派手に転売すると、足がつくと考え、それを避けようとしたのでしょうか。
慎重な性格で、一獲千金よりも、細く長く犯行を継続しようと考えていたのかもしれません。

寺などの蔵、倉庫には年代物のお宝が眠っていることがあります。
泥棒もそれを知っていますからそれらを重点的に狙う者もいます。
また、それらの場所は通常は無人であることが多く、犯行の発覚が遅れ、自らが捕まる危険性も低いということを知っているのでしょう。

そのような無人の倉庫に防犯センサーや防犯カメラを設置しているところの方が少ないでしょうから、犯行の邪魔になるのは鍵や扉程度でしょう。
特殊なものでなければ、バールなどの工具を用いて破壊することが可能です。
これだけだと防犯対策をしているとは言えない状況です。

もちろん、何の道具も持っていない、準備もしていないような素人泥棒なら、鍵の施錠だけで効果があるでしょう。
鍵が掛かっているからここはあきらめようと、別の無施錠の倉庫を探そうと去っていくかもしれません。
ただそのような泥棒ばかりではありません。
侵入する気、盗む気満々で準備し、犯行に挑むプロの泥棒が多いような気がします。

さらに最初は経験が浅くとも、何件も犯行を重ねるにあたって経験を重ね、泥棒としてレベルアップしていく者もいます。
このような泥棒は非常に手強く、窓や扉の施錠、金庫保管程度では簡単に突破されてしまいます。
泥棒、と一言で言っても様々なタイプがいます。
また、どのような泥棒に侵入されるかを選ぶことはできません。
防犯対策は様々な泥棒に対しても対応できるレベルのものが必要です。

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