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2010年10月05日 九州・山口 エアコンの室外機盗難385件

エアコンの室外機が盗まれる事件が今年1〜8月、九州・山口で少なくとも385件発生していることが毎日新聞の取材で分かりました。
室外機には銅やアルミニウムが使われており、窃盗犯が金属回収業者などで換金しているとみられています。
相次ぐ室外機盗の背景には、リーマン・ショック以降、値下がりしていた金属価格が再び値上がりしている事情もありそうです。

北九州市若松区の病院。
8月9日、エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管が切断され、室外機だけが持ち去られているのを出勤してきた職員が見つけました。
盗まれたのは室外機1台で被害額は約10万円。
院長は「犬にかまれたようなもの。早く忘れたい」と話しました。

九州・山口では今年1〜8月に、
佐賀68件▽山口27件▽熊本19件▽鹿児島16件▽長崎10件▽宮崎4件−−が発生。
このほか大分でも数件、福岡県では少なくとも241件の被害がありました。
沖縄では今年の被害は確認されていませんが、08年には9件発生していました。

福岡県警によると、会社事務所や民家の敷地などに侵入し、エアコンの配管を切断して室外機だけをトラックに積んで持ち去る手口が多いようです。
盗んだ室外機は金属回収業者に持ち込み、1台数千〜1万円前後で換金されているということです。

エアコンの室外機を狙った盗難事件は06年ごろから全国各地で起きるようになりました。
室外機の他にもマンホールや側溝のふた、給水パイプの蛇口、電線、避雷用銅線などあらゆる金属がターゲットになりました。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(川崎市)によると、金属価格は08年の北京五輪を控えた中国での建設ラッシュなどで高騰していました。
1トン当たりの銅の価格は、05年平均は3684ドルでしたが、08年7月3日には8985ドルを記録。
約2カ月後のリーマン・ショック以降は急落し、09年平均は5150ドルまで下がりましたが、今年は9月21日現在で7695ドルまで持ち直しているということです。

福岡県筑紫野市のリサイクル業者は「窃盗犯も相場を見ながら動いているのでは。値上がりすれば被害も増えるはず」と予測。
室外機を1キロ90円で買い取る福岡市の金属回収業者は「電気店以外が大量に持ち込めば怪しいが、分解した金属だけを持ち込まれると盗品かどうか分からない」と困惑しています。
<毎日新聞10月4日(月)10時37分配信より>

エアコンの室外機盗難が全国的に増加しつつあります。
最初ニュースで報道されたときはエアコンの室外機自体の価値がほとんどなく、盗み出す手間を考えると割に合わない犯罪の手口だと思いました。
しかし、金属の需要が再度高まり、その価値、評価が見直されるようになり、犯罪手口として有り得るものに変わってしまったようです。

室外機を買い取る金属回収業者は、電気店以外が大量に持ち込めば怪しい、とコメントしていますが、何度も同じ者が分解した金属を持ち込めばすぐに怪しいと感じるはずです。
盗品かもしれないと感じてもそのまま買い取る業者もありそうです。
また、怪しまれないように色々な業者に少しずつ持ち込み、買い取らせる方法をとる泥棒もいそうです。

エアコンの室外機に限らず、一見、価値がないと思われるものがお金になる時代です。
金属もそうですが、パソコンや携帯電話、家電製品等、無料で引き取る産廃業者というのも多く存在しています。
そうなると、自然に犯罪者もそのことを嗅ぎつけて歩み寄ってくるものです。
何か犯罪に利用できないか、自分の利益にならないか、と常に考えています。
手っ取り早いのが他人の物を盗むことです。
そうさせない為の事前の防犯対策です。

防犯対策を行い、自分の身を守ることで、他人とは違う環境となります。
犯罪者から見れば、そこは普通とは異なり、侵入しにくい環境なのです。
そうなれば防犯対策として成功です。

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