防犯ブログ

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2013年05月15日 ゴルフ場でスキミング 255人の偽造カード作成、2億円引き出し

ゴルフ場で利用客のキャッシュカードの磁気情報を盗み取って偽造カードを作成し、預金を引き出したとして、警視庁と広島など4県警の合同捜査本部は、窃盗容疑などで、東京都足立区花畑、自称建築作業員の男(39)ら中国人の男3人を逮捕しました。
同課によると、いずれも容疑を否認しています。

男らは10人程度のグループの一員で、平成24年5~12月に東京や栃木、広島など1都10県のゴルフ場で、255人分のカード情報を読み取る「スキミング」の手口で偽造カードを作成し、約2億円を手に入れていたとみられます。

逮捕容疑は、24年9~12月、神奈川県内のコンビニエンスストアの現金自動預払機(ATM)などで、偽造カードを使って預金計240万円を不正に引き出して盗んだとしています。

男らはゴルフ場の貴重品用ロッカーに隠しカメラを取り付け、暗証番号を盗撮。
利用客がプレー中にロッカーを開け、カードをスキミングしていました。
ATMではロッカーと同じ暗証番号を入力していました。
<産経新聞 5月14日(火)15時47分配信より>

ゴルフ場でキャッシュカードの情報をスキミングの手口で読み取り、偽造カードを作成し、総額2億円もの現金を不正に引き出したという事件です。
ポイントがいくつかあります。

・犯人グループは、貴重品用のロッカーに監視カメラを勝手に取り付け、暗証番号を盗撮(施設側が監視カメラを設置するのではなく、犯人側が盗撮用に設置!)
・プレー中にロッカーを開けて、カードをスキミングして情報を読み取り、その後偽造カードを作成(この段階では、被害者にとっての直接的な被害はない為、現金が引き出されるまでは被害に遭ったという実感がありません)
・偽造したカードの暗証番号は、ロッカーと同じ暗証番号を入力(生年月日など覚えやすい番号を共通して使用する人が多いため)

現金を不正に引き出された被害者の方たちはさぞかし驚いたことでしょう。
どこでキャッシュカードの情報が読み取られたのか?(貴重品用ロッカーに預けている間とは想像もしないでしょう)
なぜ暗証番号が分かったのか?(ロッカーの暗証番号が盗撮されているのは考えないでしょう)

仮に暗証番号がロッカーを盗撮したものと違っていれば、あきらめてカードを破棄(別の方法で暗証番号を探るかもしれませんが)すれば、被害者は偽造カードを作られただけで、被害の実害がありませんから、犯行が発覚する可能性は限りなく低くなります。

被害者の方たちは本当に気の毒ですが、よく考えた巧妙な手口だと思いました。
これに対抗するには、相当の防犯対策が必要で、弱点を一つ一つなくしていくことが必要です。

・ロッカー付近に防犯カメラを設置(犯罪者側に不正をさせないように施設管理者が設置、記録した映像の管理も要配慮)
・利用客以外の不審者の立ち入りを制限(関係者以外立ち入り禁止区域の設定、入退室管理、防犯カメラの増設)
・スキミングに対する防犯啓蒙活動(チラシなどで、生年月日等読み取られやすい番号はやめるように呼び掛ける)

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