防犯ブログ

  • 侵入手口
2009年04月09日 焼き破りによる空き巣。

「焼き破り」というのは力の強いライターでガラス戸の一部(鍵付近)を熱した後、水を吹きかけるなどして急激に冷やし穴を開け、そこから錠をあける手口です。

ガラスを割る手口ではあるのですが、通常の「ガラス破り」がサッシなどの窓ガラスやガラス戸をドライバー、ガムテープその他特殊工具を使用して破壊し、そこから手を入れてクレセント(施開錠用窓金具)を操作し不正開錠する手段を指すのに対して、ガラスを火で焼いてから冷却して割るため「焼き破り」と別に名称がついているようです。

この「焼き破り」という手口で千葉、埼玉、茨城の3県で空き巣を繰り返していたとして、神奈川県警国際捜査課などは窃盗容疑で、中国籍で千葉県市川市の男(27)=別の窃盗罪で起訴=ら4人を逮捕しました。

 県警の調べによると、容疑者らは1月5日午後、さいたま市の無職男性(66)方に侵入し、現金約105万円とネックレスなど(時価81万円相当)を盗んだ疑いがもたれています。

 容疑者ら4人のうち3人は不法滞在していたとして1月6日、入管難民法違反の現行犯で逮捕され、2月18日に窃盗容疑で再逮捕されました。

 県警によると、4人は窓ガラスを焼いてから割る焼き破りという手口で犯行を繰り返していたとみられます。
同様の被害が約140件2000万円以上あり、県警で関連を調べています。
(4月8日 産経新聞より引用)

焼き破りの手口での窃盗被害が140件、被害額が2000万円以上というのはちょっと驚きです。
中国から不法滞在をしながら日本で窃盗で稼ぎ、本国に送金、帰国。
その背景には、日本が防犯意識が低く犯行しやすいことと、両国間の「物価の差」があります。
経済発展が著しいとはいえまだまだ中国での1ヶ月の賃金が低く、物価も日本に比べると安いため、日本で荒稼ぎして帰国すると中国では何年もの年収になるというのが現状です。
一件の被害額が数万円であっても、彼らにすると、数ヶ月の給与に相当します。
決して小額ではないのです。
平成10年以降ピッキングという手口で窃盗被害が急増した時、中国人窃盗団が帰国してピッキング御殿が建ったといった話もあります。
そういう背景があることを理解して「現金を置いていないから侵入されない」と思い込んでいると大変なことになります。
カバンの中、机の引出しなどに数万円程度は多くの家でおいているでしょうし、時計や家電、ノートパソコンなども換金できるため泥棒から見ると現金と同じなのです。
特にノートパソコンはその中に個人情報が入っていると「情報漏洩」の加害者になってしまうという恐れもあります。
決して「盗られるものはない」という状態ではないことを認識していただきたいと思います。

泥棒に狙われないためには、泥棒の嫌がる「侵入防止4原則」を駆使することです。
「目(人目)」「音」「光」「時間」
安全性、確実性、容易性を考え下見をして侵入ターゲットを選ぶ泥棒に対して防犯意識が高く防犯対策を完備していると言うことを建物外部から分かるように設置し、犯罪対象から外させるのです。
そして早期発見し初期対応(音と光でその場で威嚇撃退する)を行う。
そういう防犯対策を実施することをお勧めします。

具体的には、
● 建物全体を泥棒の目で見直し、周囲の建物など足場になるものがないか、道路からの見通しが悪くないかを見直す。塀やフェンスは見通しの良い低いものにし、植木は剪定する。
● 夜間暗闇で犯人が隠れることができないよう防犯灯や人感ライトなどで一定の明るさを保つ。
● 窓・扉には補助錠を設置する。補助錠は外部から見せない場所に設置する。
● 建物外部の目立つ場所に防犯ステッカーやセキュリティキーパーなど「見せる防犯」を実施し、犯罪者に対し「ここは防犯対策が完備しているのでやめよう」という気持ちにさせる。
● 窓・扉に侵入検知センサー(マグネットセンサー)を設置し、侵入時にはベルやサイレン・フラッシュライトなど音と光で威嚇撃退する。
自主機械警備システムNEXT

加盟企業専用ページはこちら