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2009年03月24日 高齢者施設での電気錠システムの必要性

先日発生した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災での女性職員の証言が新聞記事で見ました。
その証言によると「死者10人のうち7人の遺体が見つかった別館の居室と食堂の間の通路にある引き戸について、「いつものようにつっかい棒をかけて、(入居者が)外に出ないようにしていた」」と言っている。
施設側としては少人数で夜間管理するのであれば、入居者が無断外出しないような対策を行う事は当然のように思えます。
しかし平常時はこのような対策で大丈夫でしょうが、いざ地震や今回のような火災が発生した場合には避難経路を絶たれる事になります。
このような施設での火災事故では毎回のように問題になることではないでしょうか?
平常時には人の移動を制限して非常時には避難経路として使用できる方法はないものでしょうか?

そこで考えられる対策としては、電気錠システムなどの導入が最適ではないかと思います。
電気錠システムを導入することにより、夜間など人の移動を制限したい時には電気錠を施錠しておき、使用する時だけ解錠することが可能になります。
但し、この電気錠システムですが、非常時の対策を考えてシステムを考えないといけません。夜間の平常時は施錠状態であっても、いざ非常事態が発生した場合には電気錠を全て解錠状態にしなくてはなりません。解錠されることにより非常時の避難通路を確保することが出来る訳です。
今回のような火災が発生した場合には、施設に設置されている火災報知器に連動して電気錠が自動解錠されるしくみや職員が手動で数カ所の電気錠を遠隔解錠操作が出来るようなシステムを設計すること大切です。
又、火災だけではなく、地震・停電・天災の時にも正常動作が可能になるようにあらゆる対策方法を検討して設計しておく必要があります。
今回の火災事故は、施設の防火対策が全くと言っていいほど行われていなかったと報道もされています。施設としては最低限の防災対策は行わなくてはなりません。今回のように高齢者施設のような場所では避難をする上でもなかなか思ったように進まないのではないかと思います。
高齢者が安心して過ごせる場所を提供することが目的のこのような施設では防災対策は当然として、無断外出を防止して非常時には避難通路を遮断しない電気錠システムも必要な設備ではないかと思います。
人はなかなか非常時の対策は後回しにしがちです。しかし一旦問題になった場合には大きな損害を被ります。是非問題になってからではなく、問題になる前に対策を考えて頂きたいと思います。

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