防犯ブログ
- 犯罪手口
2008年10月15日
ゴルフ場で多発、ロッカー荒らし 暗証番号盗撮、広域窃盗団か
千葉や群馬、埼玉といった関東一円のゴルフ場で今夏以降、暗証番号式の貴重品用ロッカーからキャッシュカードや現金などが盗まれる被害が相次いでいることが14日、分かりました。
警察当局は同一の広域窃盗グループが関与している疑いが強いとみて捜査。犯行グループは利用客の入力する暗証番号を盗撮し、プレー中にロッカーを開けて現金などを盗み出しているとみられます。
同様の被害は5、6年前から発生しており、被害総額は数億円に上る可能性もあるとみて、犯行グループの割り出しを急いでいます。
●狙われたロッカーは、数字を入力する全ロッカー共通のテンキーがあり、任意の4けたの暗証番号を入力して開閉するタイプ。テンキーは通常、周囲からのぞかれないようカバーで覆われているが、犯行グループはカバーの内側上部に小型カメラを取り付けて利用客が入力する番号を盗撮し、その映像を無線で飛ばしてゴルフ場近くの車内で番号を確認しているとみられる。キャッシュカード類と同じ番号を使う利用客も多く、預金が引き出されるケースも目立つ。
△8月3日、太田双葉カントリークラブ(群馬県太田市)で、プレーを終えた男性会社員(51)ら4人のロッカーから財布が盗まれ、現金計15万5000円が抜き取られた。さらに、市内のコンビニエンスストアのATM(現金自動預払機)からは、男性のキャッシュカードを使って現金55万円が引き出されていました。カードとロッカーの暗証番号は同じでした。
同クラブのロッカーも被害が多発しているのと同タイプ。テンキーを覆うカバーの内側上部には、幅約1センチ、長さ約10センチの両面テープが約10センチ間隔で張られているのが見つかり、群馬県警は「盗撮用カメラが付けられていた」とみる。
△千葉県南部のゴルフ場では9月下旬、プレー後に男性がロッカーを開けたところ、高級腕時計とクレジットカード、現金約5万円が盗まれていた。千葉県ゴルフ団体総合事務所によると、同県内では9月、6カ所のゴルフ場で計13人が同様の被害に遭っており、キャッシュカードによる現金引き出しも含め、3人が100万円以上の被害を受けていた。
(10月15日産経新聞より抜粋)
ゴルフ場の貴重品用ロッカーをめぐっては、平成17年にも元ゴルフ場支配人の男を主犯格とする窃盗グループが暗躍。マスターキーを使ってキャッシュカードを盗み出し、カード情報のスキミングによる偽造カード作製で多額の現金を引き出す事件が発覚しています。今回別の窃盗グループの犯行とみられる被害が明らかになったことで、ゴルフ場の盗難対策が進んでいない実態が浮き彫りになりました。
なぜ、ゴルフ場が狙われるのでしょうか?
●ゴルフ場は比較的裕福な客層が集まる。
●財布にはキャッシュカードが入っていることが多い。
●ゴルフのプレー時間より、戻ってくる時間が読める。
●ゴルフのプレー時間は長いため、犯行にかけることができる時間も長い。
●プレー時間が長いことから被害に気付くのが遅れる。
●テンキーの暗証番号にキャッシュカードの暗証番号と同じ番号を使用する人が多い。
など、窃盗グループに狙われやすい条件がそろう。
「ハーフで約2時間半、18ホールだと食事込みで約6時間もプレー時間がかかり、利用客の大半は精算時に財布を確認する。犯人からすれば時間が読め、被害発覚が遅くなるので、狙いやすいのでは」(被害にあったゴルフ場支配人)
太田双葉カントリークラブではロッカーに「カメラを使用した盗難に気をつけてください」と注意喚起する張り紙をしていましたが、ロッカー全体を監視する防犯カメラは未設置でした。
被害を受け、盗撮用の小型カメラを両面テープで取り付けられないよう、テンキーを覆うカバーの内側に人工芝を張り付けました。
千葉県のあるゴルフ場はフロント正面にロッカーを置いていたが狙われました。支配人は「被害が出た日曜日は利用客が多く、朝から混雑していてロッカーにまで目が行き届かなかった」と説明しています。
ゴルフ場の防犯対策
●ロッカーはフロント正面に置く。
●目立つところに防犯カメラを設置し、ハードディスクレコーダーで自動録画する。
●防犯カメラを設置していることをシールなどで大々的にアピールする。
●モニターTVをフロント前に見せるように置く。
●毎日ロッカー及び周辺のチェックする。
●ロッカーのテンキー上部を映す鏡を付ける。
●指紋照合付きのロッカーを設置する。