防犯ブログ

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2006年08月03日 夜盗

昨日11時頃から約2時間で、なかにし礼の小説「夜盗」を読み終えました。

主人公は定年を数ヵ月後に控えた警察署刑事課「強行盗犯係」の刑事。
戦争引き上げ孤児で孤児院で育っています。外国人住居専門のノビ(忍び込み)を主人公が追いかけていきます。
進駐軍兵士とのハーフであるマリアという同じ孤児院に捨てられ、一緒に育った美貌の児童養護施設経営者への愛情を横糸に、警察の捜査状況がかなり詳しく書かれており、夜遅かったにも関わらず一気に読み終えるまで眠ることができませんでした。

小説の中で、警察独特の言葉がありご紹介しましょう。
「ノビ」・・・忍び込み。夜間家人が家にいるにもかかわらず侵入し犯行に及びます。空き巣は留守宅を狙うもので、家人がいる中で犯行を終えるのですから、「物音を立てない」鮮やかな侵入手口で侵入する職人的窃盗犯です。

「ゲソ」・・・足跡。「ゲソは調べました」というのは「足跡は調べました」という意味です。

「2点当て」・・・ガラスの割り方の1つの方法。(私は以前刑事さんに「3点破り・2点破り」という表現を聞きました。

「踊り方」・・・泥棒の物色の仕方。「奇妙な踊り方をするやつだ」というのは「変わった物色の仕方をするやつ」という意味です。

「アントラセン」・・・ゲソ(足跡)を証拠に押さえるための方法。ブラックライトで地面を照らすと「アントラセン」が付着したゲソは発光し浮かび上がる。

「お札」・・・逮捕状。

「ホシ」・・・犯人(これはよくドラマで使いますよね)

終戦直後の貧しい時代に孤児院で育ったという時代背景と、刑事としての誇り。
なかなか一気に読ませる小説でした。
「泥棒が嫌うのは音と光である」なんていう記述もあり、なかにし礼が防犯事情を勉強したのかな・・・など考えながら読むのも面白いですよ。

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