防犯ブログ

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2006年06月26日 「学校の成績」だけで人生を投げ出さないで

奈良で発生した母親と幼い二人の兄弟を放火殺人した事件には,なんともやりきれない気持ちで一杯です。
両親と同じ医師になることを過度に期待され、プレッシャーを感じていたという長男が、家庭内で孤立感を募らせた結果、異常な破壊衝動に至ったとみられています。

小学校時代から成績優秀だった長男は、性格も明るい人気者でしたが、奈良市の中高一貫の進学校に入学後は、成績が振るわず、教育熱心な父親からたびたしかられ、暴力も受けていました。父親は勉強部屋を“ICU”と呼び、夜中まで付ききりで長男に勉強を教えていたことも判明しています。

 先月の中間テストで英語の点数が思わしくなかったのに、父親に「できた」と伝え、「あとでうそがばれると思った」と長男は答えています。事件があった20日午後、長男の通う高校で父母に成績を伝える保護者会が開かれる予定で、このことが犯行につながった可能性があるとみられています。

この長男の友人たちは皆、「頭が良かった」「友達も多かった」と答えており、幼い弟妹の面倒も良く見ていたといいます。
学校の成績が進学校の中で振るわなかったとしても、一般から見るとそんなに悪くなかったに違いありません。
学校の成績だけが人生を決めるものではなく、まして医者だけが職業でもない。
そんなことを少年のそばにいる人が少しでも話していれば、彼の人生は違っていたのかもしれません。

島田洋七の書いた「佐賀のがばいばあちゃん」という本があります。今映画も公開されています。
その中で、英語はもとより体育以外はほとんど1か2という成績の主人公明広(洋七のこと)に対して、小学生の時から母親に替わって育てているばあちゃんはこのような会話をします。

「英語ができんかったら、『ぼくは日本人だ』と答案用紙に書いておけ」

成績がほとんど1と2ばかりの通知表を見ながら
「人生は総合力。1や2ばかりでも足したら5になる」

人生は総合力。学校の成績だけでないし、体を使う人、頭を使う人、いろんな人がいて初めて社会が成り立っている。

こんな風にもし言われていたらこの少年だけでなく、今起こったいる少年犯罪の多くが発生しないのではないかと思うのですが・・。
他人と比較せず、その子の個性を大切に認め、人や動物に対して優しい子供に育てる・・
佐賀のがばいばあちゃんの子育ては、そんな当たり前だけれど、すぐに忘れてしまうような基本的なことを教えてくれます。
難しいですがそういう気持ちを大人が持つことから始めることが犯罪の発生しない社会を作る道だと感じています。

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