防犯ブログ

  • 泥棒小話
2006年03月08日 「わっさんくとぅんしちはならんどー(そんな悪いことをしてはいけませんよ)」

沖縄常夏の島で、タクシー運転している61歳男性の車に那覇市から乗り込んだ那覇市内在住の28歳の男性。
運転手はいつものように何気ない世間話で場を和ませる。言葉の一言二言に滲み出る温かな人柄。日に焼けた肌に優しげな笑顔。
実はその男はギャンブルのために消費者金融から借りた借金約270万円が返済できずタクシー強盗を決意して犯行の機会を待っていたのであった。

ところが男は運転手と話すうちに「こんな良い人を襲ってはいけない」と思い始めた。

タクシーが浦添市付近に到着した段階で
男  「ここで止まってください。実は現金を持っていない」と告白。

運転手「ちゃんと目的地まで走ります。お金は後で会社に持ってきてくれればいいよ」相変わらず優しい言葉。

怒ることなく優しいこの言葉に男はノックアウト。自分が強盗を決意して乗車したことを説明し、隠し持っていた刃渡り6センチのナイフを手渡した。

運転手「これは預かっておく。一緒に警察に行こう。まだ強盗を起こしていないから大丈夫」

相変わらず優しく諭し、そのまま浦添署に直行し、出頭するときも立ち会ったという。

常夏の温かな心が生み出したおとぎ話。

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