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犯罪に走らせぬ“心の防犯”を ひいては社寺のガードに
昨年十月から始まった「寺社を守る」連載中も、寺社を狙った窃盗や放火が各地で相次いだ。 残念ながら、安全も安心ももはや万人に等しく与えられるものではなく、求めなければ得られないものになってしまった。寺社にあっても、日常の危機管理体制を構築するだけでなく、防犯機器を導入するなどして自衛手段を講じる事例が年々増加している。 いうまでもなく、建造物や仏像など有形の寺宝はもちろん、寺社の無形の精神文化も後世に伝えていかなげればならない財産。相次ぐ寺社の犯罪被害を背景に、業界各社からはこれまでの連載で紹介してきたようなさまざまな防犯機器が発売されている。
防犯カメラや人感センサー、炎センサーといった機器だけでなく、これらの防犯機器を組み合わせ、寺社の実情に適した防犯システムを提案する企業もある。景観上の理由などから防犯機器の導入や設置に抵抗感を持つ寺社があるかもしれないが、機器の高性能化とともに小型化も実現されており、個々の環境に応じた最適なシステムを導入することも可能だ。 一方、犯罪を未然に防ぐうえで、犯罪という行為に及ぶ無明の闇を晴らすことも欠かせない対策といえる。
犯罪に走るか思いとどまるか。この違いは、紙一重、一瞬の判断によるものかもしれない。誰の心のなかにも闇はあり、その闇と格闘しながら日々の自分を律しつつ生きていくのが人間の姿だからだ。その律するものが信仰であり道徳であり、倫理や法律であるとすれば、近年顕著な犯罪の凶悪化や低年齢化は、信仰や道徳心、倫理観などの欠如に起因していると見ることもできる。 宗教家が取り組んでいる「心のケア」が説く主眼も“いかに生きるか”にある。宗教者にとっての防犯とは、人を犯罪に走らせないための「生き方」を、広く衆生の心のひだにしみ込ませることにもあるのではないだろうか。 その”心の防犯”がひいては寺社自らを犯罪から守るころにつながり、さらには日本の安全にも資することになるはずだ。
この連載は(株)セキュリティハウス・センターにご協力いただきました。
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