送電線盗まれる被害続発 内灘、金沢、かほくで昨春から9件 電柱に登り工具で切断
内灘町と金沢、かほく両市の海岸近くで昨年春から、電柱に架設された北陸電力の送電線が切断され、盗まれる被害が九件相次いでいたことが七日までに分かった。盗まれた電線の総延長は計約八百七十メートルに及ぶ。世界的な銅の価格高騰を背景に、芯(しん)部分に純度の高い銅が使われる電線の盗難は、県内の工事現場などで起きているが、感電する危険を冒し、電圧がかかった電線を切断し盗むケースは全国的にも珍しいという。被害届を受けた津幡、金沢東の両署は銅線を狙った連続窃盗事件とみて捜査している。
調べでは、今年一月十八日に内灘町西荒屋、権現森の海岸三カ所で、電線計約八十メートルが切断されているのをパトロール中の北電社員や住民が見つけた。二月二十八日には同町西荒屋で約二十メートル、三月十四日には金沢市今昭町で約三十メートルの電線が盗まれているのが発見された。
いずれも海岸や海岸近くの畑に設置された電線で、地上からの高さ約十―十二メートルに架設されていた。人が近づかなくなる冬期間に何者かが電柱に登り、カッターのような特殊な工具を使って電線を切断したとみられる。
県内では昨年三月、かほく市と内灘町の海岸など四カ所で、電柱に張られた状態の電線の盗難が初めて確認された。同市大崎の海岸では、浜茶屋に電気を通すために設置されていた電線約六百メートルが盗まれた。同町西荒屋の海岸では今年一月と同じ場所を含む二カ所で計約七十メートル、大根布でも約七十メートルが被害に遭った。
北陸電力石川支店によると、被害総額は数十万円に上る。電線の切断による停電は確認されていないが、被害に遭った電線は全て電圧がかかった状態で、切断の際に感電する恐れもあったという。津幡、金沢東の両署は、電気工事に詳しい複数犯の可能性もあるとみて調べている。
関係者によると、電線は太さによって異なるが、新品の仕入れ値で一メートルあたり三百―千五百円台。電線の芯部分は、99%以上と純度が高い銅が使われており、犯人は銅を狙ったか、中古品として売却する目的で盗んだ可能性があるという。
内灘町大根布とかほく市大崎の海岸に近い畑では今年に入り、銅を主成分とする砲金製の散水用バルブが大量に盗まれる事件も確認された。






